2013年7月17日水曜日

ブルーギル (Lepomis macrochirus)

魚類
原産地:北米
捕獲難易度:★☆☆☆☆

ブラックバスことオオクチバス (Micropterus salmoides)の話をしたならこっちにも触れなきゃいかんでしょう。

同じくサンフィッシュ科のブルーギル。

バスが1920年代に日本国内に導入されたのに対し、ブルーギルが持ち込まれたのは1960年代とやや新顔。
こちらは成長は遅いわサイズは小さいわで食用としてもゲームフィッシュとしてもあまり歓迎されなかったようだ。この辺りはバスと少々事情が違う。

しかし、バスフィッシングブームに伴い「バスの餌に…」とブラックバスとセットで各地に放流されまくり、持ち前のタフさで今ではバスが定着できない池にもバッチリ居着いた。
その結果、メインで放流されていたはずのブラックバス以上にどこにでもいる外来魚となった。

池や川をのぞいてブルーギルの姿が見えると本当にがっかりする。

めちゃくちゃ簡単に釣れる魚でもある。

捕獲はやはり釣りが最も簡単な方法だが、図太い神経に加えてかなりの悪食であるため、ハリのサイズにさえ気を使えばエサは何を使ってもいい。

エサじゃなくてもいい。毛鉤やルアーのような疑似餌でも呆れるほど簡単に釣れるし、初心な幼魚ならメッキが施されたハリだけでも好奇心からかバシバシ食ってくる。
僕が子どものころは消しゴムのかけらやチューインガムで釣って遊んでいた。
これから釣りを始めたいという人や子どもの遊び相手としてはなかなか優秀かもしれない。
ちょっと複雑な思いもあるけれど…。

ちなみに

食べても

そこそこイケる。

原産地では食用とされているだけあって、正しく調理すれば十分に食べられる味である。
ただし、似た者同士であるバスに比べると小骨が多く身が少ない上、明らかに味は落ちる。

余談だが、僕は少年時代、山の上の澄んだ池でバスやギルを釣っては持ち帰り、晩のおかずにしていた。

その際に気付いたのだが、ブルーギルの中には少し鮮度が落ちてくるとスイカのような青臭さを放つものがある。
といってもアユのそれのように爽やかなものではない。魚の生臭さとスイカの甘ったるい青臭さが混じった、えづくような嫌な臭いである。
バスではそんなことは無かったので、これは植物質も積極的に摂るブルーギルの食性ゆえの現象なのだろう。

ちなみにブルーギルの「ギル」とは鰓のこと。
鰓蓋の後端が紺色に染まることからきている。
(ブラックバスの「バス」は海産淡水産問わずスズキ目の一部の魚を指す雑な総称のこと。)

名前と体型が全然違うので誤解されがちだが、ブルーギルとブラックバスはどちらも同じサンフィッシュ科に属す魚である。

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