原産地:中国
捕獲難易度:★★★☆☆
英名はシルバーカープ
ハクレンとはソウギョ (Ctenopharyngodon idellus)、アオウオ (Mylopharyngodon piceus)、コクレン ()と並んで中国四大家魚(それぞれの食性の違いを利用したシステムで同時・同所的に養殖できる、中国における重要な4水産魚種)に数えられるコイ科魚類である。
他の四大家魚と同じく産卵から孵化までに長い流程を要し、日本では今のところ利根川水系でのみ再生産が確認されている。
もともと食用目的で導入された魚なので、皮を除くなどしてちゃんと料理してやればそれなりに美味い。
全長が1mを越え、泳ぎに長けるため、漁師さんでもない限り捕獲方法としては釣りが最も現実的だ。
プランクトンを濾しとる鰓が発達している。
ただしこの魚の食べ物は植物プランクトン。なのでミミズやエビでは釣れない。
だからと言って植物プランクトンを釣り鈎に刺すわけにもいかないので、代用としてマッシュポテトの団子を用いる。
水中で溶け出して拡散する植物質なので疑似植物プランクトンとして成立するのだろう。
だがこのマッシュポテト、もともとはヘラブナ釣り用に用いられていたエサなのでいまいちハクレンにはベストマッチではないように思える。
タイでは釣り堀でのメコンオオナマズ釣りが盛んなのだが、このナマズが食性も外見もハクレンによく似ている。
メコンオオナマズ。下の方に付いた眼も筋肉質な体型もハクレンに似ている。やはり植物プランクトン食。
この魚を狙う際は米ぬかで作った大きな団子を使うが、これはハクレンにも応用できそうだなと考えている。マッシュポテトよりは向いていそうだ。
米ぬか団子の中に釣り鈎を仕込み、メコンオオナマズに溶け出す米ぬかと一緒に吸い込ませる仕組み。
バスやスズキを狙う釣り人のルアーに頻繁に引っかかってしまう。
ちなみに、利根川の釣り人曰く、「マッシュポテトでちまちま釣るより、スズキ狙いでルアー投げてれば嫌になるほど掛かってくる。」とのこと。
試してみるとまさにその通りでした…。
それから利根川水系において、この魚には禁漁期が設けられているので注意が必要だ。
ちなみにこのハクレン、「泳ぐろ過機」として水質浄化目的で導入された北米でも大量に定着しており、一部河川では批判の声も大きいボウ・フィッシングのターゲットにもなっている。
(レジャーと駆除を兼ねる。という大義名分はあるようだが、食用としない魚を問答無用で殺傷するのはやはりよく思わない人も多い)
こちらはそれなりに強力な洋弓で射る遊漁なので、日本では真似しようと思ってもできない遊漁だ。
挑戦したいとも思えないが…。
こんばんは。
返信削除メコンオオナマズとの比較の考察が実に面白いですね。
このsilver carpは、背景の菜の花から、確かに禁漁期前の捕獲ですね。